こんにちは、こんばんは、masakiです。
今回のテーマは最近人気の「酸性薬剤でデジタルパーマを考えてみよう!」について紹介していきたいと思います。
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このサイト内の記事を見ている方々は、そろそろ酸性とアルカリの違いについて分かって来たかと思います。
なんですが・・・酸性ストレートは分かってきましたが、「弱酸性デジタルパーマ」って実際どうなの?酸性の縮毛矯正の様に水抜きアイロンが必要なの?温度はどのくらい?時間は?って言ったところがあやふやで、分からないところがあるんでは無いかなと思います。
髪を痛めないパーマ?ってところは分かるかなと思います。
最近では、理・美容師さんのブログやYouTubeでもばんばんアップロードされているGMT・スピエラ酸性デジタルパーマや酸性ストレート・・・
GMTって一体なんなの?スピエラってスペイン料理じゃないよね?
弱酸性でデジタルパーマしたらどんなメリットがあるの?
そんな悩みや、不安、分からない、などの素朴な疑問をお持ちの一般の方や、まだまだパーマを勉強し始めた美容師さん達の為に今回は解りやすく「弱酸性デジタルパーマ」とは何なんですか!?っていう部分を解説していきます。
酸性デジタルパーマとは?美容師の為の基礎編
まずは一般の方・素人さんとルーキー美容師さん向けに酸性パーマの基礎から解説していきます。
なのでデジタルパーマについては一旦横に置いといて・・・
初めにパーマ全般についてのお話をしていきます。
酸性パーマとは何なんですか?
パーマっていうのは分かりますよね?
で、「酸性」・・・これは「ph」と呼ばれるものです。
酸性とかアルカリ性とか言われるているやつですね。
この酸性、アルカリ性の強さは「pH (昔=ペーハー・現在=ピーエイチ) 」と言って、0から14までの数字で表されます。
普通の水は中性で、pH=7となります。
これを基準にして、pHが0~7を酸性、7~14をアルカリ性と呼びます。
pHの数字が小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強いというわけです。
毛髪をつくっている タンパク質 (ケラチン) はpH4~6・・・つまり弱酸性の時がもっとも安定・安心・ダメージも少ないって事です。
パーマにはこの薬剤のphの違いにより
- アルカリ性パーマ剤
- 中性パーマ剤
- 酸性パーマ剤
これらに分類されるって訳なんです。
従来のパーマ剤のほとんどがアルカリ性の薬剤を使用したパーマです。
ここでパーマの原理を簡単に紹介します。
通常のアルカリ性のパーマの場合は
- 還元
- アルカリ
この2つの要素でパーマをかけています。
還元って何?って事なんですけども・・・
よく髪の毛をのり巻きに例えられる事が多いんですが、
海苔(キューティクル)の中にタンパク質(ご飯粒)が詰まってるイメージです。
そのご飯粒同士をくっつけているのが”側鎖”といわれる結合なんです。
なので簡単にいうと「酢飯のお酢が接着剤の役目を果たしている」って訳です
この側鎖結合っていうのも何種類かあります。
SS結合・イオン結合・水素結合・・・
これは素人さんは覚えなくても良いですが、美容師さんは覚えましょう。
パーマの場合はこの中でも「SS結合」っていう物を利用していきます。
こんな感です。
↓
〇と×がくっ付いています。これが「SS結合」です。
そこにパーマ液の還元剤という成分が反応してSS結合という側鎖をカットする!
ロッドに巻いて形つけると・・・
SS結合の位置がロッドの形に応じてズレていきます。(◯と×の位置が変わります。)
このズレた位置で2液をつけて固定します。
そうしますと、くっ付くやつと、くっつかないやつがいるんですが・・・
簡単に言うとこんな感じの原理がパーマです。
これがパーマの原理原則「切って・ズラして・つなげる」
これがパーマ液の還元剤の仕事です。
詳しくはこの記事に書いてあります。
↓
パーマにおける【還元・軟化・膨潤】小学生でも分かる内容【保存版】美容師向け
パーマっていうものは、この還元剤が髪の毛の側鎖を「切って・形変えて・2液でくっつける」
次は「アルカリ」についてです。
このアルカリちゃんは、パーマだと大きく分けて2つの働きをしています。
- 髪の毛の表面のキューティクルを開き還元剤の浸透をよくする
- 髪の毛の側鎖のイオン結合を切る
これはパーマをかける時のアルカリの働きなんですが、ここに還元剤が絡むともっと大切な事があります。
今までの還元剤の多くはアルカリ性でないと側鎖を切る力が弱すぎる・・・
少し専門的な話になりますが・・・還元剤には
- チオグリコール酸
- システィン酸
- システアミン
- チオグリセリン
このサイトの記事内でもよく出て来ますが、色々な還元剤が存在します。
多く還元剤は”アルカリ性じゃないと働いてくれません”!
なので、ほとんどのパーマ液はph8〜9以上とアルカリ性になっています。
そして、このアルカリ性っていうのがパーマのダメージに深く関係しているわけですね・・・
ここまでで、パーマの基礎理論と「還元剤とアルカリ」の大まかな内容はわかりましたね。
ではでは、ここからが本題になっていきます。
酸性デジタルパーマ・温度検証
スピエラ・GMTなどの酸性の薬剤を使用したデジタルパーマはめちゃくちゃ簡単です。
そりゃそうです。酸性ストレートではあんなに難しい「水抜きと加温」が機械まかせで出来るからです。
って事なんで、この弱酸性デジタルパーマをロッド温度によるウェーブの違いを検証していきます。
まずは、仕込みとして10トーンに染めたウィッグを用意します。
薬剤はシンプルにパイモアさんのCクリーム:G48 → 10:1
放置タイムは10分
処理剤は無し。
4本巻きました。。
1本ずつ耐熱シートで他に熱が伝わらない様に乾かします。
もちろん乾燥具合も均一にするために1本ずつ濡らしていきます。
1本ずつ確実に乾燥するまで・・・
その後に2液を塗布 5分2回
シャンプー、トリートメントして終了です。
結果は??・・・
写真:右から
- ドライヤーで適当に乾燥
- デジパ温度 60℃ で乾燥
- デジパ温度 80℃ で乾燥
- デジパ温度 110℃ で乾燥
結果は見ての通り・・・
GMT酸性デジタルパーマでは80℃以上の温度が有効です。
そして一番右の毛束の様にコールドやクリープなどの、ただ乾かしただけでは、ほとんどかからない薬剤になりかねないです。
もちろんかけようと思ったら、もっと細いロッド選定でいく必要がありますがそれはまたの機会に話します。
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↓
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まとめ
今回は酸性デジタルパーマの基本編として、パーマのおさらいと、酸性デジタルパーマについての紹介をしていきました。
まずは、SS結合をコントロールしていくことは一緒で、他の記事でも紹介していますが、基本的な還元剤ではアルカリ性でないと動きません。
また酸性の場合のデジタルパーマは酸性ストレートに比べると簡単で、温度設定の「80℃」がポイントっていう部分が分かったかなと思いますので、あとは、実際に試して検証を自分でも行っていく事で自分の技術と知識になっていきますのでアウトプットを必ず行っていきましょう行なっていきましょう。
クセによってはかかりやすいとか、ダメージによっては熱が聞きやすい場合もありますので使い分けていきましょう。
ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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