こんにちは、こんばんは、masakiです。
今回は、パーマをかけるにあたっての髪の毛の考え方について紹介していきたいと思います。
さて、ここで質問です。
あなたは、パーマが得意ですか?苦手ですか?
最近多くなってきたパーマの話なんですが、その中でも「ブリーチパーマ」を軸に紹介していきたいと思うんですが、よく聞かれる質問が、
あなたの悩み
- ブリーチからパーマしたらどうなる?
- ブリーチした髪でもパーマはかけられますか?
- ブリーチをするとパーマがかけられないのはなぜ?
- パーマをかける時にどんな薬を選んでいけばいいのか分からない・・・
- ブリーチパーマが流行っていて困る・・・
この辺りがよく聞かれる疑問や気になる部分ではないでしょうか?
と言うことなんで、今回の記事でわかる内容をはこちらです。
先に結論から言いますと「パーマをかける際は”髪の毛の体力”が大切」なんです。
という事なんで、今回は3つの視点に絞ってお話ししていきたいと思います。
- 傷んだ髪の毛はパーマがかけれないのか?
- ブリーチパーマはNG?
- パーマ・縮毛矯正をかける時のポイントは?
こちらの3つの内容に絞って紹介していきたいと思います。
目次
傷んだ髪の毛はパーマがかけれないのか?
正確にいうとかけれる場合もありますし、かけれない場合もあります。
その原因は大きくいうと「ダメージ」
物理的ダメージ・薬剤的ダメージに分けられています。
物理的なダメージというのは、日頃のドライヤーだったり、濡れた状態で寝てしまった時に髪の毛が摩擦なんで傷んだり、毎日のアイロンが物理的ダメージにあたります。
薬剤的ダメージはそのままですね。
パーマだったり、カラー、ブリーチで髪の毛がもちろん痛みます。何かの施術をするということは必ず髪の毛が傷んでいってるということになります。
なので、実際に髪の毛に触って、見て、今までの履歴を聞いた上で、お客様のスタイリング力、どの様な質感が好きなのか、ケア方法、ダメージの状態を判断してパーマ or 縮毛矯正がかけれるのかを決めていきます。
パーマ・縮毛矯正ができない場合はどんな状態の時なのか?
例えば、パーマを例に挙げますと、
- 施術した結果イメージするデザインにできない(ウェーブが出ないとか)
- 薬剤を使用した場合に毛髪に何かしらの異変が出る(切れてしまうとか)
こちらの2つが挙げられます。
施術した結果イメージするデザインにできない
(ウェーブが出ないとか)
パーマの技術は「髪の形状を変化させる」です。元々真っ直ぐな毛髪を薬剤の力を使って曲げて固めて形状に変化させるのがパーマです。
パーマは「コルテックス」の中にある「間充物質」と「フィブリル」と呼ばれる部分の結合を切ったりくっつけたりすることで髪の毛を曲げることができるのですが、間充物質、フィブリルっていうのはこんな感じ・・・
イメージはこんな感じ・・・
著しいダメージの状態というのは、この「間充物質」と「フィブリル」が減少している状態になっています。いわば「中身がスカスカ」の状態。
ということは「切る結合」も「くっつける結合」も減っている状態なので、ウェーブとして形成・維持することができなくなってしまうのです。
正常な状態のパーマ
「切る結合」も「くっつける結合」も減っている状態
なのでパーマをかけてもウェーブが出なかったり、かかってもすぐにおちてしまったりということになります。
薬剤を使用した場合に毛髪に何かしらの異変が出る(切れてしまうとか)
パーマをする際には、必ず薬剤を使用しますので、毛髪に対して負担が生じます。パーマにしてもヘアカラーにしても、毛髪本来の状態を薬剤の力で形状だったり色を変えますので必ずダメージが出るのが当たり前です。ダメージが絶対にない物はありません。
なので、ダメージ毛の場合、薬剤のパワーに毛髪が耐えられず「ビビリ毛、断裂、ちぢれる」などの状態になり、パーマでウェーブを付けるどころかそもそものウェーブではなく、バサバサになってしまい、最悪カットしてダメージ部分を切る事しか選択肢がなくなります。
ダメージの原因で多いのが、
- 縮毛矯正の繰り返し
- カラーの繰り返し
- 市販カラーの繰り返し
- ブリーチ履歴がある
などが挙げられます。
縮毛矯正の繰り返し
基本的に縮毛矯正は1回きりの施術と考えておきましょう。
なぜならば、髪の毛の中の結合を切っており、1度やっただけでも髪の毛の中がズタズタの状態だからです。もちろん毛髪の強度によっては2回〜3回できる場合もありますが、それはあくまで髪の毛が強いだけです。
本来は縮毛矯正は1度やったら2度と同じ場所に何回もやる様な施術でないと覚えておきましょう。
カラーの繰り返し・市販カラーの繰り返し・ブリーチ履歴がある
カラーを繰り返している場合も、ダメージが蓄積していきます。普通のカラーに関してもブリーチ効果を使っているので、回数が多ければ多いほどダメージが大きくなります。
また、ブリーチをしている場合はカラーの回数を飛び越えてのダメージが起こります。ブリーチの場合「過硫酸」というものが配合されている分普通のカラーの比にならないくらい痛みます。
身近な物で言えば、家にある漂白剤を髪の毛につけている様な物です。
なんでも分解、破壊していくのでそりゃー痛みますよね。
ブリーチパーマはNG?
なぜブリーチ毛にはパーマや縮毛矯正がかけれないのか?考えたことはありませんか?
ブリーチパーマをする上で押さえておきたいのが、ブリーチの仕組みとパーマの仕組みです。
美容師さんなら知っていると思うますが、「毛髪の主な物はタンパク質」で作られています。
ブリーチの仕組み・反応
ブリーチには1剤(アルカリ剤・過硫酸)2剤(過酸化水素水)で構成されていて、1剤、2剤が混ざると化学反応で”酸素”が爆発的に増えます。
この酸素がキューティクを開けて中のメラニン色素やジアミンなどのカラー成分も分解してきます。
毛髪には相当の負担(タンパク質に傷がつく)をかけている事になります。
毛髪内部のメラニン色素をやジアミンの残留物質などを今まで大きかった粒子から小さくて細かい粒子にすることで、脱色させるのが、簡単なブリーチのメカニズム。
パーマの仕組み・反応
先ほども紹介しましたが「毛髪の主な物はタンパク質」
パーマは当たり前ですが、タンパク質の中のシスチン結合同士をイジることでパーマをかける事ができます。
図で表すとこんな感じですね。
左の図がシスチンの結合を切る前の状態で、ロッドを巻いて1剤を付けると右上の様に、○と×の位置がズレます。そして2剤を付けることで右下の様に切れていた結合が近いもの同士でくっ付きます。まぁくっ付かないヤツもいますが、これが簡単なパーマの原理です。
1剤=アルカリ剤、還元剤
2剤=過酸化水素、臭素酸ナトリウム(ブロム酸)
パーマはタンパク質を変性させる方法やS-S結合をイジることで髪の毛の形状を変えること。
これがパーマの仕組み。
ブリーチ毛にパーマや縮毛矯正がしずらい理由・まとめ
ブリーチによって毛髪内部のタンパク質やシスチンを分解している分、結合などが弱くなっている状態で、更にパーマでシスチン結合などの結合を断裂すると毛髪に与えるダメージが限界を超えてしまい、限界を超えた毛髪は溶けたゴムの様に弾力がなくなりドライヤーをするだけでブチブチ切れていきます。
ブリーチ毛でもかけることは可能
- シスチン結合がしっかりしている
- 水に濡らしてもハリコシがある
=弾力があるのか?が大きなポイント!!
もっと細かく紹介すると、
メモ
- 元々の髪質がしっかりしている
- 濡らしても弾力、ハリがある
- 濡らしたブリーチ毛を指などに巻きつけた時にすぐに戻る
- 枝毛、切れ毛がほとんどない
- ブリーチが1〜2回くらい(髪質による)
※上記の項目が多いほどパーマがかけられる可能性が高い
ブリーチパーマがNGな毛髪
注意ポイント
- 元々髪質が弱い、弾力がない
- 濡らすとハリコシ無し
- ブリーチ毛で濡らして指に巻き付けると元に戻らない
- 枝毛、切れ毛が多い
- ブリーチ1〜2回以上
※上記の項目が多いとブリーチパーマはNGです。
【まとめ】ブリーチパーマ・縮毛矯正をかける時のポイント
まずパーマをかけるにあたって、「ダメージ」というのを考えると思うんですが、パーマをする前に美容室ではよく PPTとかで前処理しますよね?
僕の場合はほとんど前処理はしないです。面倒くさいからとかではなく、「前処理のタンパク質」などはあくまで偽物だからです。
これは僕がパーマやカラーをする時に基本で考えている「減点方式理論」だから。
僕が勝手に考えてネーミングした理論だからネットで調べても多分無いと思います。
そもそもなぜ縮毛矯正じゃないと癖毛が伸びないのか?って事も、ある研究者によると
日本人の黒髪は元々シスチン結合の比率が欧米人より多く、昔は普通のストパーでもクセは結構伸びてたけど、 現在の日本人はヘアカラーの定着や食生活の欧米化等でシスチン結合の比率が外人並みに減っているらしいです。
だからイオン結合や水素結合をいじる縮毛矯正じゃないと駄目なんですけど・・・
美容師なら経験上で分かると思います。
例えば、
ブリーチとかしてるお客さんがパーマをあてて、もしウェーブが少しゆるかったとして、次回にじゃあ強い薬でかければよくかかるか?って・・・
違いますよね??
そんな髪に強力なチオ系の薬つけてもパーマ強くならないですよね?なんならチリチリ、ジリジリに傷むだけですよね!?
逆にシステアミン系の弱い薬で加温したほうがウェーブは強く出る場合もありますよね!?
ブリーチ毛でシスチン結合の減っている髪にいくら強い還元剤をつけても反応しない。
なので、まずこの図を見てほしいんですが、
パーマをかけていく場合は、還元剤を髪の毛の中のS-S結合に反応させることでパーマをかけるじゃ無いですか…だから「S」という相手が必要ってことなんですよ。
もっと言えば、スポーツで例えると、
バスケットで相手もいないのにパスを出しても受け取ってもらえないし、返ってくることもない。
1人でバスケもサッカーもラグビーも出来ないのと同じことがパーマをかける上で髪の毛の中で起こっています。
なので、対話も一緒ですよね?
1人で話していても返事も返って来ないですし、恋人や夫婦間、お友達でもそうだと思うんですが、会話するときは相手がいるのか?がポイントですが、パーマにおける状態も同じなんです。
かけるためのタンパク質、S-S結合が無いのに薬剤を入れても相手がいないんじゃただの独り言と一緒なんです。
前処理剤とパーマの関係性
ここから前処理剤との関係性を紹介していきます。
かかりムラを防いだり、浸透しづらくしたり、パーマのかかりをよくする為にタンパク質、ケラチンを使ったりするかと思うんですが、
パーマ液は、その前処理剤をタンパク質だと思って反応するのでよくパーマがかかります。なので傷んでいる髪でタンパク質が少ない髪の毛でも普通にかかける事が可能なんです。
しかし、それはあくまでも”偽者のタンパク質”だから、
シャンプーとかで出て行ってしまうのが現状なんです。なのでパーマかけた時はいいけど、すぐにとれちゃうパーマって事になります。
僕がお客さんにパーマ液とか選ぶ時には常に、
この「減点理論」で考えています。なので、会話という考え方でも良いかと思います。髪の毛のなかに、どのくらいのシスチン結合が残っているのか?キューティクルはこの薬剤で耐えることができるのだろうか?
この人のダメージレベルだと多分このぐらいのシスチン結合だから・・・「この薬がベスト!」って。
これが判れば前処理のPPTなんてほとんど必要無しなんですね。
ダメージも、その人の持ってる結合量に合わせるので、少なくできるハズだし、パーマの持ちもその人なりの最大限は期待できるから・・・
なんて偉そうなことを言っていますが、僕も10年以上前はまだ、前処理剤でパーマのかかりが良くなると思い込んでいました。
なので、この「髪の毛の減点理論」っていうのはとても大切な発想なんです。
例えば、パーマでもそうなんですが、健康毛とかタンパク質の欠損が少ない髪の方がしっかりとパーマかかりますよね!?
パーマ ⇒ たんぱく質の移動です。
タンパク質があるからパーマがかかります。先ほど紹介しましたね。
ブリーチ毛やハイダメージ毛なんかのタンパク質が欠損してる髪ですと、ズレる物がないんですから、当たり前ですけどあまり強くパーマかからないんですね。
そうなんです!相手がいないのにパス回しをしてもボールは帰って来ないのと一緒なんですね。
さらに言いますと、相手との実力差もあります。
例えば、野球ってあるじゃ無いですか?
小学生の子にプロが思いっきり球投げた感じを想像してみて下さい。・・・
まともにゃ受け取れませんよね!?
微シス毛とかタンパク質が欠損してたり、ハイダメージ毛に「高いph・高アルカリ度・高還元剤濃度」の薬なんかを付けてしまえば速攻で”チリチリ、ジリジリ”にかかったり、下手すれば溶けてしまうってことですね。
こうやって球技のスポーツでパーマを考えていくと色々見えてくる事がありますよね。
今付けている薬の効果はなにで・・・
どんなパワー(力)があるのか?
そして、それはこの髪の状態に適しているのか?
それだけで十分なんですね。
これさえ付けておけばどんな髪の毛でもカバーできる?そんな魔法の処理剤や薬なんかは絶対にないんです。
処理剤でドーピングしちゃったら・・・それ以上に強い薬液が必要なんじゃないのか???
小学生相手に、プロが全力投球してどうですか?完全に虐待ですよね?
小学生相手ならそれなりに緩い球を投げてあげれば良いだけってことですね。
なので、髪の毛は常にポイント制みたいなもので、
髪の毛は死んだ細胞である事は美容師さんでしたら知っている有名な話ですよね!?なので髪の毛のダメージが復活・回復するような事は、まずないわけですね。
常に、減点法で”HP”が減っていく、ドラクエとかファイナルファンタジーのゲームのキャラクターなんです。
体力の回復するホイミも薬草も・・・死者が生き返る「ザオラル」や「ザオリク」今のところ開発されていないんですね。
だから髪の余力、体力としっかり会話してコミュニケーションをとって、できるだけ減点しないようにHPが減らないように考えていくのが大切ってことです。
毛髪は体力がなくなると【ビビリ毛】に変身
髪の毛は死んでる細胞(死滅細胞)ですね。これは有名な話。
なので、自己修復も出来ないし、なにかしらの栄養が入って髪の毛のダメージが治る事なんて言うことは絶対にないです。
髪の毛は生えてきた状態から、なにかしらのマイナス要因で傷む事はあっても治ることは無いです。
つねに”マイナス”に向かっていくだけなんです。
ダメージの考え方をもっとフラットに・・・
生えてきたばかりの髪の毛を100点とします。
なので、根元部分です。
施術内容 | 毛髪のマイナスポイント |
縮毛矯正・ブリーチ | -30~40点 |
ヘアカラー | -15点 |
コールド・クリープパーマ | -15点 |
デジタルパーマ | -20点 |
※パーマの強さとか条件によって変わる
そして、何回かパーマやヘアカラーをしていきますよね?
何回も施術した毛先部分が残り10点ぐらいになってくれば、パサパサ、バサバサで何もできない状態になるってことですね。
ただしダメージの原因は美容室だけではありません。
施術内容 | 毛髪のマイナスポイント |
シャンプー | -0.05点 |
ブラシでブロー | -0.1点 |
アイロンでコテ巻き | -0.3点 |
上記の数字あたりのダメージがあるかと思います。(やり方やモノ、温度によります)
美容師さんとして押さえておくべきポイントは、
髪の毛というのはマイナスしか出来ないって事です。
なんですが、プラスにさせようと考えてる美容師さんが多いです。
なので、初めにも紹介しましたが、髪のタンパク質を変形させるのがパーマや縮毛矯正ですね。
なにもしていなければ-15の薬で施術が可能なのにプラスにしようとして処理剤とかをベタベタ付けるわけですね。
その時はプラス5点になると思いますが、希望のスタイルで同じ強さでかけようと思えば-20の薬使わなければいけなくなります。
しかも、その+5なんていうのは、家でシャンプーやブローをすれば1ヶ月も持たないのが現状です。
残留とか色々よく考えてみたら、最初からまさかの-20になってしまっているという事です。という事に気づいておくと美容師としてのパーマの考え方の幅が広がってきたかと思います。
なので、毛髪の残り点数が50点までは普通の施術でパーマをかける事が可能になります。
ですが、残り30点未満になったら(毛先)・・・を簡単に言えばカットすれば良いだけなんですが・・・切りたくなかったり、ダメージさせたく無い場合は色々と検討しないといけないって事になります。
くれぐれも残り30点を切った髪の毛は赤信号だと思いましょう。悲惨なことになります。ビビリ毛の完成です。
まとめ
今回の内容は美容師としての経験や考え方について語っていきました。主にパーマの施術における「対話理論」という自身の理論に焦点を当てています。
この理論では、髪の毛の状態(特にダメージレベルやタンパク質の状態)に合わせて、パーマやカラーの処理方法を選ぶことが重要であると説明されています。
例えば、タンパク質が損なわれた髪には、強力な化学薬品を使用しても効果が出ないと述べています。逆に、タンパク質が少ない髪には、タンパク質を補充するような処理剤を使用してパーマのかかりを良くするというアプローチがとられることがあります。
過去に自分が前処理剤に頼っていたことを振り返り、今ではより個々の髪の状態に合わせたアプローチを重視していることを述べています。また、髪の毛は死滅細胞であり、いったんダメージを受けると元に戻らないこと、常に髪の状態に合わせた最適な処理を選ぶ必要があることを強調しています。
この記事は、パーマやカラー施術における専門的な知識と、実践的な経験に基づく美容師の考え方を示しており、美容業界に関心がある人々にとって興味深い内容となって頂ければ幸いです。
また次回の記事でお会いしましょう。