こんにちは。こんばんは。どうもmasakiです。
今回は、「パーマ編」としてチオとかシスとかシステアミンについての紹介をしていきたいと思います。
さて、いきなりですが、「パーマって結構難しくないですか?」
例えばこんな悩み・・・
- 緩めのパーマだから薬も弱く?
- 初めてのパーマだから先輩が使っている薬で真似て・・
- 薬剤はどれを選んだらいいの?
などなど・・・このパーマに対して苦手意識のある美容師さんって意外に多い様な気がします。
実際。。。以前は私石川もパーマがかなり苦手だったんです。。。(笑)
よくあったのが、あるお客様ではいつも成功するのに、あるお客様ではいつも中途半端な仕上がりor失敗。。。こんな経験ありませんか?
ってことで、まずはお薬ってどんなものがあるのかを把握していきましょう。
今日やっていく内容はこちらの3つ
- 還元剤?シスチン結合?親水性と疎水性とは?
- パーマにおける代表的な還元剤4つ
- GMT・スピエラとは?
動画で見たい方はこちら
↓↓↓↓↓↓
結論からお伝えしますと、まずはこの4つから覚えていきましょう。
パーマ薬剤で代表的なこちらの4つを覚えることで、パーマのほとんどを攻略することができます。
- チオグリコール酸
- システイン
- システアミン
- チオグリセリン
なぜならこの4つはパーマを始める上で最も欠かせないパーマの基本となる要素の薬剤だからです。
目次
パーマ薬剤基本編「還元剤?シスチン結合?親水性と疎水性」とは?
ではでは、パーマに対しての苦手意識を克服していきましょうってことで、今回は還元剤の種類の使い分け、どんなものがあるのか?特性は?っていう部分ををやっていきます。
まず、パーマってなに?っていう部分なんですが、専門学校とかでもやったかと思うんですが、縮毛矯正とかパーマって、シスチン結合にかけることなんですが、このシスチン結合っていうのも「親水性(しんすいせい)」と「疏水性(そすいせい)」があります。(下記の図をチェック↓↓)
「親水性(しんすいせい)」と「疏水性(そすいせい)」って何かっていうと・・・
「親水性領域」のシスチン結合と「疎水性領域」のシスチン結合というのがあります。
要するに親水性は水に馴染む。疏水性は水に弾くっていう特徴のシスチン結合なんですけど。
この親水性の領域のシスチン結合を「S1」疏水性の方が「S2」っていいます。
まずこちらの図に行きましょう。↓↓↓
髪の毛の芯の部分にある「メデュラ」「毛髄質」。真ん中のほとんどの部分を占める「コルテックス」。あとは髪の毛の表面にある鱗状の「キューティクル」。
髪の毛はこの3層で構成されています。
大体、還元剤が作用する部分っていうのは、キューティクルとコルテックスに分けることができます。
次にコルテックス
コルテックスにもS1、S2があります。コルテックスの中での親水性のシスチン結合に狙ってかける還元剤。コルテックスでも疏水性の方にかける還元剤があります。これらを髪質に合わせて選んでいったり、自分が求める質感に合わせて、計算してやっていくっていうのがすごい大事になってきます。
ここらから還元剤の種類をやっていきたいと思うんですけど、一番有名な何か?
パーマ薬剤基本編「チオグリコール酸」とは?
チオグリコール酸。いわゆるチオと呼ばれているやつ。『チオ』って実際何なの?って聞くと、結構パワーが強いとか、傷むってイメージがあるかもしれないけど、またそれは全然違います。
チオグリコール酸の特徴は、コルテックスにかかります。髪の毛の中の・・・その中でも親水性の領域、つまり上記の図の部分ですね。S1のコルテックスにかけるのがチオグリコール酸です。
ではなぜチオグリコール酸が傷むイメージがあるかっていうと、システアミンとかはpHが低くても還元力があまり落ちないけどチオはアルカリが低くなると極端に還元力が弱まるという特性があります。なので還元力を維持できるようにアルカリが多く入っている分ダメージしてしまうのがチオグリコール酸なんです。
僕が新人の頃に教わった時は、チオの分子量が大きいので、その分アルカリを多く入れてキューティクルを広げないとチオの還元剤が髪の毛の中に入っていかないと、当時教わっていました。(笑)
いまだにこのように教えている美容師さんもいますので、注意しましょう。
実際に分子量の大きさで見るとチオグリコール酸は還元剤の中でも2番目に小さい還元剤になります。
そのため、かなりのアルカリ剤を入れないといけない。それが「ダメージ」とか「痛むんじゃないか」っていうイメージだと思うんですよね。
でもそうじゃなくて、チオグリコール酸っていうのはアルカリが入ってから傷むわけで、別にアルカリが入っていなければ、特徴としては、「S1のコルテックスに作用する還元剤」だよ!!っていうのを覚えてほしいです。ただ、アルカリが入っていないと還元剤が力を発揮できないのが「チオ」です。
チオグリコール酸っていうものはそういうものだと。
なので、アンモニアとかがついたら、キューティクルを壊して、っていう話になります。
アンモニアとかモノエタノールアミンとか、そういうのが入ってくるとph(ペーパー)とか上がってくる、って感じです。
ちなみに「チオグリコール酸」の1番活動できるphは?
チオグリコール酸 pka 10.4
チオグリコール酸はpkaが10.4という事はpHが約10付近の領域で活性化する。
活動領域は ph7〜9
チオグリコール酸・特徴
チオグリコール酸の特徴は、健康毛とか波状毛に有効です。
あとは、縮毛矯正する時のメインの還元剤はやっぱりチオで考えた方がズレないですね。
上級者になれば、他の還元剤を使っていくと思うんですけど、自分も縮毛矯正する時はチオをベースに、何の還元剤選んでいこうかな?と考えるので。やっぱり縮毛矯正の土台になるのはチオグリコール酸。
その他には、シスチン結合の癖毛とかにも有効ですね。縮毛矯正の場合は、濡れている状態でも結構リッヂが出る髪の毛には、チオグリコール酸選ぶと還元剤がスムーズです。特徴としては質感が『パリッ』っと硬くなる。
だからパーマでいうとリッヂがクリッと出る。パーマだとわかりやすいですかね。
縮毛矯正でいくとやっぱり、パリッと艶が出る。っていうのが特徴ですね。
なのでチオグリコール酸にはそういう特徴があるだと覚えてもらえるといいかなと。
パーマ薬剤基本編「システイン」とは?
次はシステイン、シスと呼ばれるやつですね。システインの特徴なんですけど、システインはキューティクルにパーマをかけることができます。
で、キューティクルの中でもどっちなのかっていうと、親水性領域の方、S1ですね。
つまり上の図のようなのが「システイン」。
なのでチオグリコール酸とシステインって、医薬部外品の還元剤として有名だと思うんですけど、チオは髪の毛の中(コルテックス)に入っていって、シスは表面のキューティクルにかかっていく。
システイン pka 8.54
システインはpkaが8.54なのでpHが9〜8付近の領域でシステインが活躍する。
活動領域は ph9〜8
システイン・特徴
システインの特徴としては、細い毛とか、エイジング毛など、そういう髪の毛に適してます。
結構エイジング毛の縮毛矯正とかって難しいじゃないですか。
エイジング毛の髪の毛にチオをメインでいくと、結構パサパサになったりすると思うんです。
だからエイジング毛の髪の毛に縮毛矯正とかパーマをかけたりする場合はシステインをベースに考えると質感も特徴的いうと「しっとり」しやすいので、乾燥しやすいエイジング毛とかには、かなりしっとりとした仕上がりになるんで、そこら辺も考えてできるようになると、かなり技術が上がると思います。
パーマ薬剤基本編「システアミン」とは?
次はみんな大好きシステアミンです。システアミンは何と言っても万能です。本当に万能。本当に万能なんです。ww
システアミンの大きい分類としては、キューティクル付近にメインでかかります。で、特徴はS2。一応、表面のS2、疏水性の方にかかるんですけど、システアミンは本当に万能だから、S1のコルテックスにもちょっと作用できるんですよね。なので「S1」と「S2」の2箇所に作用出来る。
システアミンはコルテックスの方にもいけるんです。しかも親水性と疏水性に分かれてるっところが良いんですよね。もう、すごいですよ、システアミンは。。。
しかも活動できるpHの領域も本当に幅広いんで、酸性までいけちゃう。なので、システアミンは本当に万能なんです。
自分は縮毛矯正はチオベースって言ったじゃないすか。ですが、パーマは結構システアミンベースでメインに何の還元剤でかけるか考えるんですけど、でももっとはっきり言ってしまうとシステアミンは何にでも使いたい。本当に何にでも使いたい。
縮毛矯正もやっぱり、チオとシステアミンベースで他に何入れようかなって考えたいし、パーマはシステアミンベースで何入れていこうかな?みたいな・・・ww
そのぐらいのシステアミンは万能なんですよ。要は手触りが良いですよね。
システアミン pka 8.26
システアミンはpHが9〜8付近の領域でシステアミンの効果がでる
活動領域は ph6〜9
システアミン・特徴
システアミンの質感の特徴としては、しなやかで、軽やかなですよ。で、柔らかいし、弾力がある。なので良いことしかない。
だからやっぱり今のヘアデザインの質感ってそういう感じじゃないすか?なんかしっとりしすぎてもないし、何か軽すぎもしないし、あとは、しなやか、軽やかさ、でちょっと弾力もある。本当に質感がいいです。
だからパーマも縮毛矯正もある程度極めてくると、次はやっぱりどのぐらいの質感でいきたいか?とか、そういう遊び方、考え方になってくると思うんですよ。そのときにやっぱり、システアミンが入ってくるとすごい楽しい。
なので、縮毛矯正は伸ばすだけじゃないし、パーマもただ曲げるため、かけるだけじゃない。その他質感も。
これでコントロールできるなっと思うんで。システアミンは本当に万能なので、特徴をよりわかった上で使い分けていただくと良いかなと思います。
パーマ薬剤基本編「チオグリセリン」とは?
還元剤って大きく分ける4つだと思うんですけど、4つ目「チオグリセリン」。
このチオグリの還元剤もいいんですよね。チオグリはコルテックスの中に作用するんですけど。システアミンと一緒で疏水性の領域にかける事が出来ます。
まぁ、チオといってるくらいなので、かける所はコルテックス、チオと一緒なんですけど、特徴としては、あまり形状の変化はできないんですけど、質感がすごい良くなる。もう本当に良くなります。
質感を楽しむってなった時に、チオグリを使うとすごく良いです。ただ髪質を間違えると、しっとりしすぎちゃうっていうことがあります。やっぱり細い毛とかエイジング毛とか、乾燥しやすい髪の毛とかにやると本当に質感が良くなる。
だからエイジング毛とかパサつくし、エイジング毛とかの縮毛矯正って難しいじゃないですか?
熱入れるからパサっとしてしまいますよね?
それに対してやっぱシステインとかチオグリセリンが入ってくると、本当に質感が、これトリートメントしたんじゃないか?ってぐらい良くなるんですよ。トリートメントよりもいい。なので、決まったときはめちゃくちゃ嬉しい。
やっぱりトリートメントじゃイジれないところまでイジれるんで凄く良いです。だって結合からイジるわけだから、トリートメントって後付けというか、結合はしてないじゃないですか。だから本当にシステイン、チオグリセリンをいじれるようになるとマジで髪質コントロールできるっていうのは特徴ですね。
チオグリセリン pka 9.68
チオグリセリンはpHが10〜9付近の領域でチオグリセリンの良さが出ます
活動領域は ph7〜9.5
GMT・スピエラ
あとねおまけで、GMTとスピエラ。この辺は使う人が多いと思うんですけど、GMTの特徴はS1のコルテックス。チオグリコール酸と同じかな。
スピエラがS2のコルテックスです。どっちもコルテックス内部です。なので、内部で活動できて親水性と疏水性で使い分けができるんですけど、GMTとスピエラっていうのは、そんなメインで考える還元剤ではないかなとは思うんですけど、やっぱりなんといってもいいのは酸性領域で動ける。
酸性領域で一番動ける還元剤なんで、余力のない髪の毛やダメージの強い髪の毛になってからだと思うんですけど、その足りない部分で還元力とかを、この子達は補う事ができるので、メインは上記で紹介した4つで、ある程度計算していって、その中でGMT、スピエラをコントロールできる様になると、より縮毛矯正とかパーマの幅が、広がってくるかなと思います。
スピエラ pka 6.90
スピエラのpkaは6.90なのでpHが7〜6付近の領域でスピエラの力が出ます
活動領域は ph4〜7.2
GMT pka 7.81
GMTのpkaは7.81なのでpH8〜7付近の領域でGMTの効果が発揮されます
活動領域は ph4.5〜7.8
pkaについてもっと知りたい方はこちら
還元剤のイオン化・酸性とアルカリチオの関係【小学生でもわかるパーマ講座 pka】美容師向け
ここまでで、髪の内部のS-S結合には、S-1(親水性)とS-2(疎水性)があるのは分かったと思います。
で、親水性のS-1結合は、従来のチオグリコール酸やシステインで切ることができますが、疎水性のS-2結合はなかなか切れないものです。 疎水性があると言われているシステアミンやチオグリセリンも、実際には働きづらい領域でした。S-2結合は毛髪の中に占める割合は少ないのですが、特殊なくせ毛や細い軟毛などはS-2の割合が多いと言われています。
また、ダメージで欠損しやすいのは、S-1部分からなので、ダメージヘアーには相対的にS-2部分が残ってくると言う現象にあります。そういう特殊な毛髪やダメージ毛には、S-2結合をシッカリ切ってくれるスピエラ(ラクトンチオール)が最適です。しかもスピエラは、S=2だけでなくS-1も切る力があるので、パーマ液としては理想ともいえるものです。
しかし、絶対的なパワーや価格が高い、特異臭があるなど、マダマダ問題の多いところではあります。
そこで、S-1中心にS-2にバランス良くアタックできる様に考えた方式がダブル還元、トリプル還元という手法です。
※チオグリコール酸+システアミン
※スピエラ+チオグリコール酸
※スピエラ+システアミン
※酸性チオ+スピエラ+システアミン(チオグリコール酸)
いろんな実験や分析で酸性チオとアルカリシスアミ(アルカリチオ)がとても相性が良く、バランス良く還元できているようです。このようにアタックする場所の異なる還元剤をつかって働かせる方法をダブル還元といいます。またスピエラのプレ還元には酸性チオが適していることが実証されました。
酸性チオ++スピエラ+システアミンの組み合わせは最強と言えるもので、ダメージを押さえながら、クリープ技法との組み合わせでさらなる進化を遂げていくと思われます。
これがトリプル還元です。
パーマ薬剤「まとめ」
いかがでしたか?
最後に今回の記事のポイントをおさらいしましょう。
縮毛矯正とかパーマって、シスチン結合にかけることなんですが、このシスチン結合っていうのも「親水性(しんすいせい)」と「疏水性(そすいせい)」がある。ってことは理解できまいたね。
次に、各薬剤の特徴を紹介しました。
チオはアルカリ濃度が高くないと、還元剤が上手く動けないからアルカリ濃度が高いとか、システアミンは親水性と疎水性の両方に左右できますとか、意外と覚えてしまえば簡単ですので、チオとチオグリはコルテックスまでいく、システイン、システアミンはキューティクルまでなんだ・・でもシステアミンはコルテックスまでも行けたりするとか、各で薬剤で各でメリット」デメリットが存在しますので、髪の毛の状態を見ながら上手に使っていきましょう。
あとは質感も覚えられるとよりグッとです。
今日は還元剤の種類を使い分けるというところで、やっぱり縮毛矯正とかパーマって最初のうちって軟化でしか考えられないと思うんですけど。
やっぱり軟化までの還元力っていうものがわかってきたりとか、還元剤の種類まで狙ってコントロールできるようになると、 案外複雑になったように見えて、逆にすごいシンプルになってて、成功率が本当に上がるし、質感のコントロールができるんで、よりお客様の悩みとか要望にパーソナルに答えることが出来る様になっていきます。
あとは還元剤の特徴、お店にある1液の裏を見て、「あっ」これが多く入ってるんだなあ〜・・・っていうのがわかっていただいて、それをメインにちょっと選んでいただけると、より楽しくなるかなと思うんでぜひ参考にしてもらえればと思います。
最後に途中で紹介した「pka」の早見表です。これも覚えておくと後々使いますのでインプットしておきましょう。
還元剤 | pka(酸解離定数) | logPow(疎水性度) |
チオグリコール酸 | pka 10.40 | logPow 2.6 |
システイン | pka 8.54 | logPow 3.24 |
システアミン | pka 8.26 | logPow 2.47 |
チオグリセリン | pka 9.68 | logPow -0.63 |
スピエラ | pka 6.90 | logPow -0.77 |
GMT | pka 7.81 | logPow -0.66 |
最後にインプット&アウトプットが大切。
今回はパーマ基本編を紹介しました。今日インプットした内容を、しっかりアウトプットしてインプットしないといけませんので、そこまでがインプットになってますので、なので今日学んだ内容を、実際に試したり、誰かに話す、ブログに書く、YouTubeに上げてみたり、Instagramに上げてみたりが、アウトプットになり、次にやる事になります。人はインプットして何かアクションを起こさないと忘れてしまう生き物ですので、必ずアウトプットしていきましょう。