こんにちは、こんばんは、masakiです。
今回はロングレイヤーカットの方法について紹介していきたいと思います。
レイヤーカットをする上で、
- レイヤーの切り方が分からない
- 顔まわりってどうやって着るの?
- ミドルとトップの引き出し方が分からない
- 角度は結局どうやって引き出すの?
この様な悩みはありませんか?
そこで今回は美容師さん向けに、レイヤーカットの簡単な考え方、切り方の違いとポイントを紹介していこうと思います。
ロングのレイヤーカットをしていく時の始めに覚えておくべきポイントは「床平行、90度、45度を覚えることです」。
理由は簡単で、なぜならば、床平行、90度、45度は誰にでも分かる角度設定だからです
例えば、床平行はそのまんまですね。
床と平行に引き出してカットする方法なのでとても分かりやすいですし捉えやすいです。
また90度は直角に考えればいいですし、
45度は並行と90度の間で考えればOKなので、とてもシンプルで、初めてのカットでも脳内で簡単に整理できますね。その中でいつも言っている奥行きを考えながらカットしていけば必然的にカットスタイルが作れるようになっていきます。
ってことなので、まずは床平行、90度、45度を覚えることで大体のカットができるようになります。色んなカット方法で25度とか30度とかは割と慣れてきた人がやる応用編になりますので、まだ慣れていない美容師さんはこの3つを基準にカットを始めていきましょう。
今回やっていく内容は3つ
- 床平行、90度、45度を使い分ける
- 3種類のパネルの引き出しを覚える。
前に引く、バックに引く、トップに引くことでカットが可能 - 縦軸と横軸の収まりで奥行きとスタイルが完成する
床平行、90度、45度を使い分ける
こちらは先ほど紹介した内容ですね。カットはシンプルに考えるとこの3つで大体作れちゃいます。あとはそこからの応用です。
あなたが分からなくなってしまう部分としては「どこに引き出すのか?」ここじゃないですかね!?僕も実際カット始めた手の頃は角度はなんとなくわかってきたけど、どっちに引き出せばいいのかがさっぱり分からなかったですね。
なので今回は分かりやすく3つに絞ってカットを行います。
3種類のパネルの引き出しを覚える。
前に引く、バックに引く、トップに引くことでカットが可能
カットの基本は「前、後ろ、トップ」この3つの方向に引き上げるのが基本の形になります。
まずは簡単なロングカットで引き出し方の意味と役割を理解していきましょう。
今回はシンプルにバックの展開からサイド顔まわり、トップの流れでカットをしていきたいと思います。その中で使っていく技術は何度も言っていますが「前、後ろ、トップ」の3つがメインです。ここにプラス床平行と90度、45度が入っていきます。
今回のカット前のウィッグ
初めのカットは板状に真っ直ぐカットしていきます。
この際にお客様から見える位置で長さの設定をしていきます。今回は鎖骨少し下くらいの設定でカットします。
ではなぜ前の設定で長さを設定するのかというと、前の5センチとバックの5センチは違うからですね。要は肩幅の厚みによって前に持ってきた時に収まりが思っていた位置よりズレてしまうことがあります。首に巻くタオルの厚みもそうですし、厚みのある洋服や胸囲の厚みでも長さが変わっていきます。
※赤矢印の様に着ているものや、バストなどの厚みによって前に持ってきた時の髪の毛の収まりが変わります。
なので、後で前に持ってきた時に短くなりすぎない様に前でどのくらいカットするかを確認しておきましょう。
バックのラインを決めたら、次に顔まわりのラインも真っ直ぐ切ってしまいましょう。ここまでは全て床平行のカットラインでカットです。
バックの髪の毛を前に持ってきた時に希望の長さになっているかを確認してカットです。
次にサイドの展開に入っていきますが、ゴール地点の設定として先ほどカットした耳のラインからヘムラインに沿ってガイドラインを出しておきましょう。(慣れてきたら出さなくても切れるようになります)
いよいよサイドの髪の毛をカットしていきますが、ここで引き出す角度が45度になります。45度に引き出してカットしていきながら先ほどバックで床平行にカットした部分の襟足部分を前に出した部分をゴールにして収まりを意識しながらカットしていきましょう。
これだけで最近はやりのシャギー、レイヤーカットの顔周りのカットラインを作っていけます。
次のセクションも同じ様に45度に引いてカットしていきましょう。(慣れてきたらオーバーダイレクションを使っていっぺんにカットすることも可能になりますので、カットの展開が早くなります。
サイドのハチ下セクションが終わったら、次にハチ上トップのセクションも同様に45度に引き出してカットしていきましょう。耳のライン上のイヤーツーイヤーまで順番に45度引き出してカットです。
次に前髪セクションを真横の床平行に引き出して90度カットします。
このままだとスタイルの表面にあたるトップセクションにグラデーションが残ってしまうのでサイドをハチセクションで分けてそのまま床平行に上に引き出してカットしていきます。そうする事で表面のグラデーションの部分が消えて、よりナチュラルになります。
その後に前髪部分に45度に引き出してカット角を落としていきます。
これで前の展開は終了です。
続いてバックセクション、
始めにカットしたガイドから45度に引き出してカットしてモヒカンラインのガイドを決めていきます。次にこのガイドを目安に左側のパネルをカットしていきます。大体3〜4パネルくらいでカットしていきましょう。
バックのトップセクションは先ほどカットした部分をガイドに同じように真上に引き出して床平行でカットしていきましょう。
逆サイドも同じようにイヤーツーイヤーから後ろのヘムラインから取ってきた毛束をガイドにサイドを45度のアングルでカットしていきましょう
45度に引き出してカットした部分に対して右サイドに関してはフェイスライン上に真横の90度に引き出してカットをしていきましょう。
次のパネルも同じ様にフェイスライン上にダイレクションして引き出してカットです。
これをイヤーツーイヤーの後ろの髪の毛までオーバーラップしてカットしていきます。2〜3パネルくらいを目安にカットです。
ダイレクション真横から見たイメージはこんな感じ!
フェイスライン上に全て集める!耳後ろの部分までオーバーラップすると切り残しも無くなります。
続いて、フェイスラインの髪の毛を取って顔の前に90度に引き出しいてカットをしていきます。
同じ様にイヤーツーイヤーの後ろくらいまでオーバーラップして届く範囲でいいので前に引き出してカットしていきましょう。
トップセクションも同じ様にハチセクションで分けとり真上に引き上げて床平行にカットしていきましょう。
前髪セクションは45度に引き出してカット。
これで顔まわりのカットは終了です。
左側のバックセクションはアンダーセクションで分けて45度にカットしていきます。ミドルセクションはモヒカンラインで45度にカットした髪の毛をガイドに真横に90度に引き出してカット、
トップセクションはサイドでカットした部分をガイドに床平行にカットしてつなげて切っていきましょう。
ここで左右の違いを紹介すると、右側は45度でカットしてからトップへの床平行に切り替えしてのレイヤーカット。
左側はハチした45度でカットまでは同じで、フェイスラインを基準に真横、顔前に床平行に引き出して90度でカットしてからのトップに床平行で引き出してカットするレイヤーカットの方法です。
違いはこちらです。
左側の方が仕上がりがフラットでウエイトの位置が高めに入ってきています。レイヤーのシャギーの感じもアゴ下から入ってきていて動きのある感じがあります。
対して右側の方はウエイト位置が低めで、シャギーの入り方が左と比べると穏やかな入り方です。シルエットもひし形感が強く出ていて品の良さや大人っぽさ、厚みが感じられます。
サイドの毛流れもレイヤーが入っていいる方が高めからの毛流れがある分動きがプラス、低い方が落ち着き感というか大人っぽさがあります。
色をつけてみるとレイヤーと動きの幅が変わったのが分かりますね。
バックの毛流れ、ウエイト位置を見て、違いを確認しておきましょう。
やはり90度でカットしている部分の方が段差が多く入っていて動きがたくさん入っていますね。
どちらが良いというよりは、このちょっとした段差の違いを使い分けることがスタイルを作る楽しさにもなってきますね。
これで全体のカットは終了です。
縦軸と横軸の収まりで奥行きとスタイルが完成する
最後にスタイルを作る上で頭に入れておきたい知識なんでが、それが縦の重なりと横の重なりですね。これは以前の記事でもご紹介しているんですが、まだ見ていない人は以前の動画もチェックしてみてください。
これが理解できるとなぜイヤーツーイヤーで分けるのか?なんで前に引くのか?後ろに引くのかが分かるようになります。
その結果奥行きの作り方が理解できるようになり、カットをもっとシンプルに考えられるようになります。
ここで、そもそも奥行きとはなんですか?ってことなんですけども、まずこちらの図を見てください。
これが奥行きの正体です。
これは簡単ですよね。真正面から見たら四角いですが、上から覗き込んでみると奥行きが現れるってことなんですが、これはスタイルに関係なく、どのスタイルでも同じ様なことが言えます。
次に髪型のスタイルといえば、よく言われるのが「ひし形」ですね。
色んな立体的なスタイルがあるんですが・・・今回はこのひし形で紹介していきたいと思います。
スタイルをひし形に見立てて見るとこのような感じになります。
これが、基本的なスタイルにおける「黄金バランス」と言われる形になります。ひし形を意識することでバランスの良いメンズカットができるようになるってことですね。
実はこれを頭では理解しているのに忘れている美容師さんが結構多いんですよね・・・
じゃあ・・ひし形をどうのように意識していけば良いのかというと・・・・
あなたは真正面から見ることが多いんじゃ無いでしょうか?
例えば、この写真前から見るとただのメンズスタイルなんですが、
上から見ると奥行きの頂点が見えるようになります。
色んな角度から見ることで立体的にスタイルをとれる様になります。
よく先輩からもっと下がってスタイルを見ろ・・・とか・・・
上から見てみて・・・とか・・・
言われたことはありませんか?
これがその理由です。
要は、真正面からみた時の印象と、上から見ることで「ひし形」に見えると思います。
この上から見た時のサイドの頂点が奥行きのゴール地点になっていきます。なので耳のライン上にシルエットボリュームを作ることで前から見て時にバランスのいいメリハリのあるスタイルが作れるようになります。
まずは、ここのポイントだけでも覚えておきましょう。
他のスタイルに対しても同じことが言えます。
人気のショートボブ、なんかも同じ様に前から見るのと、上から見ることで奥行きのポイントが出現していきます。
これらが奥行きの正体です。
ちなみに、こちらの写真はパーマがかかっているセンターパートスタイルですが、この前髪が少し上がるだけで印象が四角く見える様になります。
これを上から見てみるとやっぱり四角いです。前の部分にボリューム感が移動することによって印象が変わる、プラス奥行き感が消えてしまうことで顔まわりの印象が野暮ったく、重く見えるようになります。
縦軸と横軸とは?
この図を見てもらうと分かると思うんですが、簡単に説明すると左が縦の重なり、右が横の収まりです。
縦は分かるんですが、横とは?っていう人がいますので、ここが奥行きの話と繋がっていきます。
ちなみにバックのシルエットは基本的には縦の重なりで厚みを考えます。サイドは横の厚みで考えていきましょう。細かくいうと両方考えるのですが、ややこしくなってしまうので、まずはシンプルに捉えていきましょう。
今回のロングレイヤースタイルでいえば耳のライン上だったりバックの後頭部に厚みが集結します。これが前や横から見た時の奥行きだったり、メリハリと言われる部分になります。
考える部分が「ひし形」ですね。
このひし形をカットする時にも考えるんですが、
色んなスタイルににおいても色々なひし形が存在します。
セミロング、Aラインボブ、レイヤースタイル、ショートボブ、メンズカットどのスタイルも大きく分けると「ひし形」のライン、シルエットになっているのが分かります。
なので、サイドは前に引いてカットしている分後ろに行くにつれてだんだんと長くなっていきます。上の図のような感じですね。で、バックはモヒカンラインを中心に後ろに引いてカットするので耳のライン上に向かってだんだん長くなっていきます。
これらの組み合わせでカットのスタイルを作ることによって色々な形のヘアスタイルが出来上がっています。
なので横の軸の重なりはこんな感じで耳のラインに溜まっていくことで厚みができて前から見た時に厚みになることで奥行きがあるように見えるということですね。
今回のロングレイヤーのカットでいうとこの図のように前に引いてカットしていますね、なので、前が短くて後ろにだんだん長くなる部分の重なりが増えているのが分かります。
アンダー、ミドル、オーバーも同じように髪の毛が溜まってくる部分がどこなのかが分かりますね。
これらのことから、カットの基本は前に引いて、バックに引くことで奥行きを作っていくことがメリハリになってスタイルを作れるってことですね。
オーバーダイレクションで引くことで長さの差を出しているんですね。
ちなみに、角は落とさないんですか?っていう質問が来そうなので先にお答えしておきますと、落としても良いですし、落とさなくても良いです。
耳のライン上の角を落とすということは、作ったメリハリをフラットにしていくということになりますので奥行き感をもっと消したい場合はカットしても良いということになります。
ただし、耳のラインの角を落とすことによってフラットになるので、前の展開も変えない場合は、前から見た時に四角くなるのでバランスには注意が必要です。
イメージ
まとめ
以上がロングレイヤーカットの簡単の切り方になります。
いかがでしたか?
最後に今回の記事のポイントをおさらいします。
- 床平行、90度、45度を使い分ける
- 3種類のパネルの引き出しを覚える。
前に引く、バックに引く、トップに引くことでカットが可能 - 縦軸と横軸の収まりで奥行きとスタイルが完成する
以上の点を押さえてロングのレイヤーカットにチャレンジしてみてくださいね。
最後まで記事を見ていただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。