こんにちは。こんばんは。masakiです。
今回は「パーマのダメージを少なくするために必要なものは?」というテーマでお話しをしていきたいと思います。
すごく基本的な事なんですが、おさらいも兼ねて紹介していきますので、すでに知っている人も、まだ知らない人のためにも「パーマにおけるダメージを抑える方法」還元の効果、クリープとは?応力緩和とは?について紹介していきます。
今回話していく内容は、3つです。
- キューティクル還元
- クリープの活用
- 応力緩和の活用
それでは、やっていきましょう。
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まず、初めに結論なんですが・・・
今でのパーマよりヘアダメージを少なくするパーマ
そのためには・・・
必要以上にSS結合を切らない!
余分な部分を還元をしない!
パーマにとって大して関係のない髪の毛の内部のSS結合は切らないようにする!
なので表面に狙ってかけていくキューティクル(表面)還元がいい!?って事ですね。
この理論の基本部分は名古屋にある椙山女学園大学
上甲恭平教授のケラチンタンパクの酸化還元機能に関する研究や毛髪のパーマネントウェーブ形成における緩和処理の効果(論文)
などを参考にさせてもらっていて、実際に論文が発表されていますので、その内容をより分かりやすくまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
ここでは現在あるパーマ技法を整理し、これからのパーマ・・・
ヘアダメージの少ないパーマを実現するための技法です。
そこで今回のキューティクル還元を実現するためのパーマ技法として
- コールドパーマ
- クリープパーマ
この二つのパーマ技法がいいんじゃないかというお話なんです。
そしてこの2種類のパーマ技法を選んだ理由。
実際にどうすれば表面還元ができるのか?
ポイントは、
還元タイムをできるだけ短くする。
1液タイムが5分以内ならいい感じだと思います。。
超簡単にいうとパーマ1液の放置タイムを5分以内にしましょう!たったこれだけです。
例えば20分間も放置すれば髪の内部の不必要なとこまで還元してしまう
↓
でも 短時間なら 内部までは還元しにくい
↓
そして実際にコールドパーマで表面のキューティクル還元を行うにはかなり条件的に厳しい場合も多くパーマのかかり具合とかにも制限もあるので、また後で詳しく解説していくので・・・
まずはクリープパーマでのお話として進めていいきます。
そもそも還元剤の働きというのは 浸透 反応 移動この3つが主なものです。
浸透
薬剤が浸透して化学反応でSSを切断し形状変化させた形にケラチンを移動させる!
浸透というのはそのままだけど薬剤が毛髪に浸透していく事
反応
反応は還元剤ならSS結合を切る事
移動
移動はケラチンがロッドを巻いた形状に移動する事
浸透は意外と短時間で行われるが、SSの還元反応は表面のキューティクル部分ら徐々に内部に及んでいく。。
ここで結構理解しにくいのが移動って事なんですよね。
では、移動ってのがどんなもんかというと・・・
まずパーマ工程の基礎をもう一度おさらいしましょう。
パーマをかける前このようにSS結合があるとする
この結合を切って髪を曲げると
↓
外側は広がろうとするし、内側は縮まろうとします。
で、その形状で2剤をしてSSを再結合すると
↓
タンパク質が移動しているので最初と違うものとかが再結合する。これで髪の毛の形が変化してそいつが固定されるってわけですが。
移動ってのはこれのことです。
↓
普通のコールドパーマの理論で考えて・・・
水巻きで薬剤をつけずにワィンディングしたとして、その後還元剤(パーマ1剤)をつけると、まず浸透してから反応とか移動をするんだけど、実はこの移動ってのが意外に時間がかかります。
SS結合を還元剤で切るっていってもたかだか2割程度だし、ロッドに巻いて形状変化をするのはそれなりの時間が必要なんです。
薬剤が浸透して反応するのは数分間で行われるけど実は移動に時間がかかってる場合が多いんですよね。
SSの移動を待ってる間にパーマ液が髪の毛の内部まで浸透しダメージさせるだけの還元反応を起こしちゃう可能性が高い!
そういうことなんですね。
できるだけでいいので、ヘアダメージを抑えたパーマ!ダメージの原因になる無駄な還元をやめる。そのためにはキューティクル還元で、できるだけ表面付近で還元を終える事が大切になっていきます。
そこでクリープパーマです!
へダメージを抑えたパーマのために髪の毛の表面だけを還元しようとすると1液(還元剤)の放置タイムを5分以内には終了したい!
そのためには今までのように浸透・反応・移動を同時にしていたのでは難しい。
プラス「応力緩和」
応力緩和の作用を利用して髪の毛のタンパク質を薬剤をつける前に移動をさせてしまえば・・・あとは浸透と反応だけになる。
そうこれで1液タイムを短縮できるってわけです。
今までのパーマだとパーマの1液をつけると「浸透・反応・移動」を同時にしていました。
これらを1液をつける前に移動だけを済ませておけば1液をつけたら→浸透と反応だけになる。なので短時間還元が可能になるって事ですね。
んでこの移動を本当に理解するには・・・もう一度応力緩和をしっかりと復習しなければいけません。
小学生でもわかる「応力緩和」
応力緩和とは・・・物体に一定のひずみを与えることによって生じた応力が低下する過程をいう。
あ 小学生でもわかるでしたね・・・(笑)
応力緩和を図解で説明しよう。
例えば髪の毛としてこんな感じにまっすぐの髪の毛を曲げたとします。
↓
無理やり曲げられたんで
痛い、いててぇ〜〜(/ _ ; )
髪の毛は 叫ぶのである・・・
そんな〜 真っ直ぐだったのに曲げられたら困るんですけど・・・(涙)
って 髪の毛は言う・・・
って感じで曲げられてもまっすぐに戻ろうと抵抗する
↓
それでも戻らないように抑えてつけておくと・・・
アレレ? (髪の毛の声)
なんだろ この感覚。。。
なんだか曲がってるのが痛くなくなってきた・・・
そう
曲げられたことに慣れてきたのである!
もしかしてわたしは元々ここにいたのかしら?
っていうぐらいなのであ〜る。
ストレスも無くなり傷みも緩和してきた。。。
私もここに馴染んできたわあぁ〜
これが応力緩和です。
今回は応力緩和ってことをもう一回しっかり理解してください!
んじゃこれで実際に髪にパーマするときはどのようにして応力緩和をさせるか?
還元前の応力緩和でパーマは変わる
パーマの場合の タンパク質の
移動はこんな感じですね。
↓
んで 例えば こいつを
上の部分のみで考えると こうだよね
↓
そう 上の部分のみで考えると髪の毛が曲がるのでタンパク質は広がろうします。
こいつを1組のタンパク質で見るとこんな感じ
↓
このタンパク質同士をつないでいる側鎖(そくさ)にはSS結合、水素結合、イオン結合など色々とあります。。。
当然この子達を切った方が移動はしやすいですよね。
従来のパーマならSS結合、水素結合、イオン結合などを切ってから移動させるんですが。
それじゃ事前の移動じゃ〜ない。ってことで、
そこで利用するのが「水素結合」です。
水素結合というのはご存知のように髪が濡れることで”切れ” 乾燥することで”再結合”される。
いわゆる「寝癖」をイメージしてもらうと分かりますかね。あとはコテ巻きなんかも髪の毛に残っている水分を飛ばして作るので水素結合を再結合しています。
なのでこの特性を利用してパーマ液でSS結合を切る前にタンパク質の移動をしとけば良いって事です!
いや〜 実に簡単ですね。
クリープの方法は水で濡らしてロッドを巻き完全乾燥させるだけです。
ちなみに一般的なクリープパーマはこういうやつ
↓↓↓↓↓↓↓↓
クリープパーマってなに?
美容室でパーマのメニューをみてみると通常のパーマの他、デジタルパーマや水パーマ、クリープパーマなどがあります。
パーマの手法や薬剤などはやりたいスタイルや、髪質、お手入れ方法などによって変わってきますが、その中でもクリープという一見イメージしづらいパーマについてです。
クリープ「creep」とは「ゆっくり動く、ずれる、たわむ」といった意味の単語です。
クリープパーマの仕組みとは?
クリープパーマでは通常のコールドパーマと同じように髪の毛をロッドに巻付けてからチオなりシスなり薬剤をつけていくまでは同じなんですが、薬剤が髪の毛に作用した時点で一度スポイトで水洗をしていきます。ここからロッドに巻いた状態のまま、スチームや遠赤外線などをあてて時間をおいていきます(人や店によりますが5~20分ほど)。
この放置している時間が「クリープ期」とよばれるものです。
髪の毛の約9割はコルテックスで構成されるわけなのですが、その中に間充物質というものが存在します。
間充物質
髪の毛の9割を占めるコルテックス内部に存在する物質。
コルテックス細胞内のマクロフィブリル間を埋めているのが間充物質で、髪の弾力やツヤなどを与えています。
化学反応を受けやすく、パーマなどの薬剤に作用しやすい性質があります。
マクロフィブリルとは簡単に言えば髪の毛を形作る骨組み部分のようなものです。
髪の毛がストローのような筒状であるとして、内部にはたんぱく質のはしごがたくさんかかって髪の形状を支えています。このはしごをいったん切断して、ウェーブの形状に合わせて再結合させるのが通常のコールドパーマの仕組みです。
しかし髪にはこのはしご部分以外にも間充物質という流動的な物質がはしごの間を埋めるように存在しており、これが矯正されたウェーブの形状から元に戻ろうとしてパーマが「だれる、ゆるくなる、とれる」状態になってしまうのです。
クリープパーマでは一旦はしごを切って、温度と湿度を調整して時間をおくことで(クリープ期)間充物質がウェーブの形状に合わせて無理のない安定した位置へとゆっくりとずれていきます。間充物質が移動して安定したところではしごを再結合させていきます(2液)。
はしごだけではなく、間充物質も安定した状態にあることで通常のパーマよりももちがよいパーマといえます。
クリープパーマが向いている髪質
クリープパーマは通常のパーマのように安定したタンパク質部分だけでなく、間充物質にもアプローチしていきます。間充物質は髪の弾力や質感の柔らかさ、みずみずしさをつかさどる部分でもあるので、くっきりと弾力のあるカールを出すのにも適しています。
クリープパーマは
・かかりにくい
・とれやすい
・パーマで痛みやすい
・しっかりしたカール、ウェーブをだしたい
といった方におすすめです。
クリープパーマのその他の特徴
パーマ液をつけたのち、「クリープ期」という時間を設けるため、通常のパーマより+30~40分施術時間が長くなります。お値段も大体+2000~3000円くらいで提供されることが多いようです。
パーマ液だけでパーマをかけていく技術ではないので、比較的ソフトな薬剤を使用することが多く、さらに水分をしっかり補給しながらかけていくのでパーマでパサつきやダメージの出やすい方におすすめです。
また工程の中で濡れている状態・乾いている状態ともに安定させる時間を設けているので、ご自分でスタイリングする際にドライヤーをかける前と後で差が起きづらく、お手入れもしやすいパーマといえます。
パーマの技術はいろいろありますが、とても進化してきている技術でもあります。パーマで失敗された経験があり、それ以来かけていないという方も、何が向いているかはその時々により異なりますので、スタイルの選択肢の一つとして、ぜひパーマも楽しんでみていただけるとうれしいです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に今回の内容をまとめておきたいと思います。
①パーマはキューティクル還元で5分以内
②浸透・反応・移動を理解する
③クリープと応力緩和を活用する
以上の点を押さえてパーマを楽しんでかけて見てください。
最後まで見ていただきありがとうございました。